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クラスプが本当にアンダーカットを使えているか(簡単な見分け方)


佐々木純二の義歯の苦手な歯科技工士・歯科医師のためのワンポイントレッスン ②クラスプがアンダーカットを使えているか(簡単な見分け方)

イラストは理想的な最大豊隆周囲線とクラスプ(赤い破線部分)の関係。写真は実際の義歯。裏側から見るとクラスプの中央部で面が裏返っていることが分かりますこの設計で,使用する金属に応じたアンダーカット量にすれば、装着時クラスプがわずかな抵抗を感じながらぴったりフィットし、しかも緩むこともありません。

この写真もクラスプを裏側から見たところ。どんな方向から見てもクラスプは内面しか見えません。

分かりやすくイラストで説明します。このクラスプは赤い破線部分を走行しているイメージです。つまりクラスプはアンダーカットに全く入っていないため脱離防止はできません。

このクラスプは裏側から見た時に、外面しか見えません。右のイラストの赤い破線部分をクラスプが走行しているイメージです.

クラスプの肩部分のみがわずかに最大豊隆周囲線の上。こうなると歯面にぴったりフィットさせれば義歯の着脱は不可能。装着できるように作ると当然、適合の甘いクラスプになります。

義歯の苦手な技工士さん、私が言いたいことが分かりますか?

クラスプが完成したら必ず裏側を見てチェックしてください。最初のイラスト・写真のようにクラスプの中央に近い部分で裏面から外面に変化していますか?

クラスプは裏側からチェックする習慣をつけましょう。クラスプの中央付近で面の裏返りのないものは、クラスプではありません。単なるレストです。実際には傾斜歯・歯冠長の短い歯・対合歯との関係等で上の図のように設定できるケースは限られてきます。しかしどんな悪条件でも、クラスプの原則は工夫すれば必ず適用できます。

以上の説明は、前提条件として①鉤歯と義歯床接触部位の関係を理解し、実践した上で成り立つものです。もう一度読み直しましょう。

まだまだ連載は続きますが、序章、①、②の意味が分かるだけでレベルがかなり上がります。義歯の苦手な歯科技工士・歯科医師の方の必ず役に立てると思います。頑張りましょう。