義歯の苦手な歯科技工士・歯科医師のためのワンポイントレッスン~部分床義歯の外形
佐々木純二の「義歯の苦手な歯科技工士・歯科医師のためのワンポイントレッスン」③パーシャルデンチャーの外形の設定
下顎臼歯部欠損症例です。
骨隆起はリリーフせずにその頂点で止めましょう。リリーフして下まで延長するとどんなことになるかお分かりですか?
①舌房が狭くなり違和感が強くなる。
②リリーフ部に空間があり歯肉に義歯が密着しないため舌感が悪い。
主にこの二つの理由により佐々木歯科では、写真のような舌側の外形になります。義歯を徹底的に勉強して「義歯の教科書は完全でない」と気付くまでは、リリーフしていましたが、やはり患者さんの違和感が強かったと思います。今の方法に変えてからは、何のクレームも出ていません。もちろんリリーフしなくても歯肉に傷はできません。
舌側の歯と義歯床との接触は、最大突出部のみ接触させて直線的にしましょう。歯間乳頭部に波状に入れ込むと装着方向に対して
アンダーカットを作り装着困難の原因になります。
鉤歯と義歯の接触関係はすでに詳しく説明しています。HPトップページのアイコンをクリックして今までのおさらいをしましょう。
頬側の外形はこの外形にしましょう。
鉤歯接触点から徐々に開いて行き歯肉頬移行部で止めます。レトロモラーパッドは半分くらい覆います。
教科書のように全部覆うとほぼ100%の症例で咬合干渉を起こします。
レトロモラーパッド頬側の前方部は「染谷のスジ」をよけるため細くなります。
違う角度からの画像です。外形を設定する際の参考にしてください。
まだ義歯床外形基本編ですが、これが理解できるとかなり上達します。
佐々木歯科では、このようなポリシーで部分床義歯を作っていて、装着感がよくぴったりの義歯になります。
患者さんの中には「(義歯を)入れていることを忘れる。」と言われる方もおられます。
義歯名人の技工士・歯科医師が少なくなっていて、佐々木歯科には義歯の悩みをかかえた患者さんが多数来院されています。
義歯でお困りの方は、予約のお電話してください。お待ちしています。